このところ、スマホやipadなどにカメラが付いていて、それらで撮影している光景を見かけます。画質があまり変わらないコンデジは、各社ともかなり苦戦を強いられているようです。その結果コンデジは、とんでもない価格で販売されています。その他の受光素子が大きめのミラーレス一眼カメラは、コンデジより画質が良く携帯性も比較的良いので女性の方々でお持ちの方を良く見かけます。さらにその上の画質を求める方は、一眼レフ:DSLR(デジタル・シングル・レンズ・レフレックス)が撮り鉄や風景など趣味やプロの撮影でよく使われています。
【目的に応じたカメラ】
現在デジタル一眼レフは各社から様々なものがラインナップされています。高画質の物や、連射性能の優れたものが販売されていて、撮影目的に応じて選ばれるのが賢明です。スポーツではプロ用の現在1秒間に11〜14コマの50万円以上する物もあります。しかし一般の撮影では重く大きいので不向きです。
下に出てくる3600万画素のカメラはプリントでの大伸ばしに向いていますが、写真1枚あたりのファイルサイズが大きくなります。但し、目的に応じて撮像範囲や撮影サイズを変えると、無駄が無くなります。
撮像素子のサイズ
デジタル一眼レフカメラ(ミラーレスを除く35mmクラス)は、撮像素子のサイズが大きく分けて2種類あります。今までの35mmフィルムカメラのサイズのフルサイズ(ニコンではFXフォーマット)とAPS-Cサイズ(ニコンではDXフォーマット)が主流です。フルサイズはボケ味が大きくなるのに対して、APS-Cサイズは35mmレンズ焦点距離の約1.5倍の望遠効果が得られます。
ちなみに、D800シリーズなどの3,600万画素のカメラをDXモードで撮影すると、1,530万画素(Lサイズ時)で撮影できます。またこのD750やD610などの2,400万画素のカメラをDXモードで撮影すると、1,032万画素(Lサイズ時)で撮影できます。
選べる撮像範囲
ニコンの上位のフルサイズカメラのD4s,D800シリーズ,D810,D750では、撮像範囲が36x24mm(FX)、30x20mm(1.2x)、24x16mm(DX)の中から選択する事ができます。一般の撮影でのカメラの画素数としては、ファイルサイズが適度で扱いやすい2400万画素クラスが最適と思われます。その中で上記の撮像範囲の中から選択できます。右下の表にありますように、D4s,D800シリーズ,D810,D750では設定によって、9種類のファイルサイズが選べます。
DX(24x16mm)カメラからフルサイズに移行された場合でも、FXボディーにDXレンズを装着可能(焦点距離の×1.5の焦点距離)となっています。FXカメラにDXレンズを装着した時は、自動的にボディーが撮像範囲をDXモードに変更し、下の写真の様に枠が表示されます。野鳥撮影など1.5倍の望遠効果画必要な時は、DXモードで、風景撮影などではFXモードというように選ぶことが出来ます。ここではご紹介していませんが、D7100はDXモードの他に1.3×も用意されています。
この様にレンズ資産を引き続き有効利用できます。
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【D750の撮像範囲 画像サイズ プリントサイズ】
ニコンD750 マニュアルP117より クリックすると拡大できます。 |
小型で高性能なDXカメラ
現在DX(APS-C)は入門向きの一眼レフカメラに多く、軽量で持ち運びに優れていて、最近女性の方や親御さんに人気のあるカメラです。エントリー機とはいえ画素数が2,400万画素(NIKON)になっているので、現在はかなり進化しています。シャッターの駆動系も小さいために、1秒間の5コマ以上の連写が可能になっています。静止したものから動く被写体など幅広い撮影に対応できる様になっています。
FXはDXの2.25倍の面積があります。FXカメラのDXモードで2,400万画素となりなすと、単純計算で2400万画素×2.25倍とすると、5,400万画素のFXカメラに匹敵します。このことから、DXカメラの2,400万画素は高詳細な撮像素子といえると思います。
※D7100より下のクラスの物はペンタプリズムが、ペンタミラーになっています。
※旧レンズは、オートフォーカスが使えないものがありますのでHP等で確認が必要です。
D750:使用できるレンズ
D5500:使用できるレンズ D3300:使用できるレンズ
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NIKON D750の特徴
D750の特徴は下記の通りです。
同社FXカメラの動画機能を有しているフルサイズデジタル一眼レフの中で最軽量
外観においては、ボディーを極めて薄く設計しホールドが良好
背面にある液晶モニターがチルト式で低位置・高位置の撮影が可能
暗所の撮影が非常に優れていること(-3EV)
フルサイズ2,432万画素で6.5コマ/秒(最大100コマ)を達成
WiFi内蔵でスマホからも接続・操作可能
フルハイビジョン60p撮影可能
FX(フルサイズ)と1.2×とDX(APS-C)の3サイズの撮像範囲選択可能
となっています。
〔新素材でモノコック構造:NIKON D750サイトより〕
帝人株式会社の(セリーボ)を採用。カーボンファイバーを用いた新素材で、軽さと強度・剛性を両立した素材です。優れた強度特性を誇り、表面に炭素繊維が浮き出すことなく外観使用にも適した素材であるため、モノコックボディ構造を構成するカバー素材として適しています。この炭素繊維複合素材の前カバーと前ボディーへの採用が、モノコック構造の採用を可能とし、これにより、強度・剛性を確保しながらの小型軽量・薄型化を実現しています。
D750プロダクトムービー(NIKON HPより)
D750の外観
2014年9月25日にニコンから小型・軽量の一眼レフ(デジイチ)が発売されました。ニコンは全般的にテレビCMの回数が少なく、番組提供などやていませんので余り目にしません。特にこのD750に関しては発売日近くに新聞広告を目にしたくらいでしょうか。このD750は興味のあるマニア以外には、余り浸透していないかも知れません。
D750グッドデザイン賞受賞
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D800とD750の比較
下の写真がD750と24-85mmの組み合わせで、右側がD800に24-70mmです。性能に関しては違いがハッキリありますが、重さの点では左が1,215gに対し右が1,800gとなっていて差は585gあります。有効画素に関しては、右が3,630万画素に対し左が2,432万画素でA3以上のプリントでは差がハッキリ出てしまいます。ついでにレンズですが、D750に付いている24-85mmのレンズは、コンパクトでVR(手振れ補正機構)も付いていて普段撮りでは優れたレンズです。しかし、絞り解放では周辺(角)あたり画像が良くありません。普通は等倍にしないと殆ど分からないと思います。この現象はF8〜F11位に絞ると改善します。レンズに関しては多少大きく245g重くなりますが、望遠側が40mm長い24-120mmF4の選択肢もあります。
操作の点ではクラスが違いますので、ボタン配置が多少違っていますが慣れれば操作できる程度になっています。
もう一つ大きく違う所は画像処理エンジンがEXPEED3からEXPEED4になった事で、暗所の描写が飛躍的に上がったことです。D800でISO400の設定と同じ程度の画質がD750ではISO3200〜6400くらいまで問題なく使えることです。詳しくは、下の『高感度で夜も手持ち撮影』をご覧下さい。
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D750のチルト液晶モニター
写真ー液晶モニターに上側を引き出して下に向けた状態(左側面)と内部の構造でさらに軽量化されている
【高い位置からの撮影】
普段は液晶モニターをあまり引き出す機会がありませんが、いざという時に撮影の幅が広がります。特に効果を発揮するのは、高い位置の撮影です。人気イベントで人々の先の被写体撮影や、遮蔽物の向こう側を写す場合にはモニターを下に向けて、高い位置から撮影することが出来非常に役に立ちます。
写真ー液晶モニターの下部を引き出して上に持ち上げた状態(左側面)と背面の状態で実際には水平よりさらに上に向く
【低い位置からの撮影】
地面に近い低い位置の撮影では、アングルファインダーを使用すると完全に接眼していないと視野がケラレてしまいます。この可動式液晶モニターでは、楽な姿勢でフレーム全体を一見で把握する事ができます。一見華奢な3ヒンジの構造は、薄く軽く作られていますがかなりしっかりして安心感があります。 トップへ
〔テレビ番組で使われたD750〕
2014.11.22に放映されました、『中井精也のてつたび岐阜長良川鉄道越美南線』でこのD750はNIKON Dfとともに使われていました。このカメラで特徴のチルト式モニターで、現在フルサイズではこの機種でしか出来ない、ローアングル撮影を行っていました。激流の川面スレスレのアングルで遠くに写る鉄道車両の撮影や、水槽にこのカメラを入れてモニターを跳ね上げて、川の水中と鉄橋を通る鉄道車両を同じアングルに収めた撮影をしていました。ちなみに使用していたレンズは、コンパクトで高性能の16-35mmf4VR,70-200mmf4VR,24-120mmf4VRだったと思います。最新の軽量一眼レフには新設計の軽量のレンズの合性がいいのでしょう。
メモリースロットとインターフェース
D750はD7100,D610などと同じ、SDカードのダブルスロットです。SDカードのダブルスロットは片側が一杯になった時に、SDカードを交換せずに撮影を続行できるなどとても便利です。D800シリーズはCFカードとSDカードの違ったタイプのダブルスロットになっています。またメモリースロットカバーに関してはD750,D810などは、滑り止めの面積が広く施されています。以前の機種よりグリップが増してしっかりホールドできます。
左側面のインターフェイスカバーはドアが3つに分かれています。D800は1枚のドアでマイク・ヘッドホン、USBケーブル、HDMIが装備されています。D800では多用するリモートコードには10ピンターミナルがありますので、野外ではドアを開けなくて済みます。D750の場合はアクセサリーターミナルが独立しているので同様に安心です。合成ゴム製の各ドアは防水シーリングされていて、の閉まり具合は、D800同様ピッタリ閉じて安心感があります。 トップへ
薄くなったボディー
ボディーの薄型化に伴い、液晶モニターの縦が短くなっています。基本的な情報は表示されますし、液晶パネルの右上に『info』ボタンがあるので、特に使用上不便は感じません。底面はバッテリーの配置が横方向になり、出来る限り奥行きを追い込んでいます。バッテリーグリップの端子が左側に移っていて、バッテリーグリップは専用のMB−D16が装着できます。(MB−D16は小型ボディ用のため、単三電池は6本までなので電圧の関係で連写速度は変わらないとのこと)グリップした感じは奥行きが深くなっていて、これに慣れるとD800では右指先が強くボディーに当たります。D750はマグネシウム+カーボン複合素材のボディーですが、長めの2kg程度のレンズ(例:TAMRON150-600mm)を装着して、グリップでぶら下げてもキシム事無く問題は出ていません。 トップへ
infoボタンとiボタンなど
D7100以降の機種には、『iボタン』が新設されています。infoボタンが現在の設定の表示に対して、メニューの内の良く使うと思われるものが集約されています。背面はグリップの品先が拡大され、マルチセレクターの直径が小さくなっていて、多少角が立っています。
ライブビューボタンが下にあります。上位機種に比べるとボタンを押してから、表示されるまでの時間が残念ですが少し長くなりました。
左肩の撮影モードダイヤルはD600あたりからロックボタンが新設されました。D7000では、いつの間にか撮影モードが変わってしまっていました。不用意に引っ掛かって回ることが無くなり、ちょっとした事ですが気にせずに済みます。
【NIKON D750のまとめ】 D750実写レポートは、こちらから
軽量・コンパクト化されたため、持ち運びがだいぶ楽になりました。
薄暗い被写体の撮影でも、今までになくノイズを感じずに奇麗に撮れます。
チルトする液晶モニターが撮影の範囲を広げてくれます。
高感度がもたらす幅広いメリット
グッドデザインで評価された機能とデザイン
上位機種(D800)とボタンの配列・画素数の差が異なる事などを除いて満足できるカメラと感じています。D750は写真撮影の幅を広げてくれます。但し、2400万画素とはいえピントはライブビューで等倍表示にして、合焦を確認してから撮影するとかなりシャープな撮影が出来ます。
【ニコンデジタル一眼レフサイトリンク】
〔FX(フルサイズ)一眼レフ〕チルト液晶モニター+WiFi+軽量+高感度:ニコンD750サイト
〔DX(APS-C)一眼レフ〕バリアングル+WiFi+タッチパネル液晶+高感度+小型軽量 :ニコンD5500サイト
〔ニコンD750開発の裏側〕
デジカメWatch:ニコンD750の小型化技術 フルサイズの進化の方向性を変えるか
〔ニコンD750モノコックボディ構造ほか〕
デジカメWatch:FX初のチルト式液晶を装備した「D750」モノコック構造の防塵防滴ボディにWi-Fiを内蔵
〔ニコンD5500の記事〕
デジカメWatch:ニコン一眼レフ初のタッチパネル採用機「D5500」
デジカメWatch:
ニコンD5500(外観・機能編)
★★★★ D750実写レポートは、こちらから ★★★★
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